不動産売却の専任媒介契約とは？メリットや注意点を解説！

不動産売却を考える際に、どの媒介契約を選ぶべきか悩む方は多いでしょう。特に専任媒介契約は、多くのメリットがある一方で注意点も存在します。本記事では、専任媒介契約の特徴やメリット・デメリット、注意点について詳しく解説していきます。不動産売却を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

不動産売却の専任媒介契約とは？

専任媒介契約とは、不動産の売買において売主と1社の不動産会社が専属で契約を結ぶ形態のことです。

この契約の最大の特徴は、売主が自ら買主を探せる点です。専任媒介契約は、不動産の売却活動を1社の不動産会社に絞るため、複数の不動産会社と連絡を取り合う手間を省けます。この契約は、煩雑なやり取りを避けたい売主にとって非常に魅力的です。

また、専任媒介契約の有効期間は最長で3か月です。契約期間内に不動産会社が売却活動を行い、売主に対して2週間に1回以上の報告義務を負います。この報告義務により、売主は常に自分の不動産の売却状況を把握できます。

報告内容には、どのような販売活動が行われたか、問い合わせや内覧の件数、内覧者の感想などが含まれます。これにより、売主は不動産会社に問い合わせることなく、販売活動の進捗を確認できます。

さらに、専任媒介契約を結んだ不動産会社は、契約締結日から7日以内に指定流通機構（レインズ）に物件情報を登録する義務があります。このシステムに登録することで、他の不動産会社とも連携し、広範囲にわたって買主を探すことが可能になります。

専任媒介契約のメリット

専任媒介契約には多くのメリットがあります。

自己発見取引が可能

専任媒介契約では、売主が自分で買主を探して取引を行う自己発見取引が可能です。

親戚や知人が買主となる場合、不動産会社を通さずに直接取引を行えます。この場合、不動産会社に仲介手数料を支払う必要がないため、コストを削減できます。

報告義務による安心感

専任媒介契約では、不動産会社が売主に対して2週間に1回以上の業務報告を行います。

これにより、売主は自分の不動産の売却状況を把握でき、安心して売却活動を進められます。報告内容には販売活動の詳細や内覧者のフィードバックなどが含まれるため、売主はリアルタイムで状況を確認し、適切な対応が可能です。

指定流通機構への登録

契約締結後、7日以内に指定流通機構に物件情報を登録する義務があります。

これにより、他の不動産会社とも情報を共有し、広範囲にわたって買主を探せます。指定流通機構への登録は、不動産業界全体で連携して売却活動を行うため、物件が早く売れやすくなるメリットがあります。

専任媒介契約のデメリットと注意点

専任媒介契約にはメリットが多い反面、デメリットや注意点も存在します。

これらを理解し、適切に対処することが重要です。

囲い込みのリスク

専任媒介契約において最も注意すべき点は、不動産会社による囲い込みのリスクです。

囲い込みとは、1つの物件の売却と購入を同一の不動産会社が成約させるために、他の不動産会社からの内覧や購入依頼を意図的に拒否する行為を指します。この行為は売主にとって不利であり、売却が長引いたり、価格が下がる原因となります。

契約解除の制約

専任媒介契約は契約期間が3か月以内と短いですが、契約期間中に売主の都合で解除する場合は違約金が発生する可能性があります。

不動産会社に落ち度がある場合は違約金なしで解除できますが、売主側の都合で解除する際には注意が必要です。契約解除を検討する場合は、不動産会社とのコミュニケーションを十分に取ることが重要です。

仲介手数料の上限

不動産売買において、不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。

仲介手数料には上限が定められており、物件の売却価格に応じて段階的に設定されています。専任媒介契約を結ぶ際は、仲介手数料の上限を確認し、適正な金額を支払うようにしましょう。万が一、不動産会社から不当に高額な手数料を求められた場合は、その理由を明確にすることが重要です。

専任媒介契約はどんな人に適している？

専任媒介契約は、特定の条件に当てはまる売主にとって非常に有効です。

ここでは、どのような場合に専任媒介契約を選ぶべきかを解説します。

高値で売りたい方

専任媒介契約では、1社の不動産会社が売却活動に専念するため、より多くの購入候補者へアプローチできます。

また、競合他社との情報共有がないため、価格競争に巻き込まれることなく、希望に近い価格で売却できる可能性が高くなります。特に、人気エリアではない、築年数が古いなど、一般的に売却が難しい物件の場合に有効です。

専任媒介契約を結ぶことで、不動産会社は限られた期間内に確実に成果を出すために、積極的に営業活動を行い、高値での売却を目指します。

早く売りたい方

専任媒介契約では、複数の不動産会社とやり取りする必要がなく、スムーズな売却活動が可能です。

1社の担当者が責任を持って対応するため、情報共有や意思決定の迅速化にもつながります。また、専任媒介契約の契約期間は3ヶ月と短期間に設定されていることが多く、短期間で確実に売却したいという希望にも合致します。

売却活動を楽にしたい方

専任媒介契約では、売却活動の大半を不動産会社に任せられます。

価格設定や広告活動、購入候補者への対応など、時間と手間のかかる業務を任せられるため、売主様は自身の生活に専念できます。特に、忙しくて時間がない方や、不動産売却に関する知識や経験が少ない方にとって、大きなメリットとなります。

まとめ

不動産売却において、専任媒介契約は非常に有効な選択肢です。しかし、囲い込みのリスクや契約解除の制約など、注意すべき点もあります。自分に適した不動産会社を選び、信頼できる担当者と契約を結ぶことが重要です。専任媒介契約のメリットを最大限に活用し、安心して不動産売却を進めましょう。自分の不動産がどのように売却されるのかを把握し、納得のいく形で売却を成功させるために、本記事の情報を参考にしていただければ幸いです。