家を売る前と家を売ったあと、それぞれの注意点を徹底解説!
家を売る際には、売り出す前の準備から売却後の手続きまで、段階ごとに気をつけたいポイントがあります。思わぬトラブルを避けるためには、全体の流れを理解し、事前に確認しておくことが大切です。そこで本記事では、家を売る前から売った後までにチェックしておきたい注意点をわかりやすく紹介します。
家を売る前に必ず確認したい不動産会社選びと契約のポイント
家を売ると決めたら、最初に取り組むべきは信頼できる不動産会社選びと契約内容の確認です。後悔しないためにも、事前に押さえておきたい注意点をみていきましょう。
信頼できる不動産会社を選ぶための比較検討が重要
家を売却する際には、最初に複数の不動産会社に査定を依頼することが重要です。不動産会社ごとに得意とするエリアや物件の種類、販売戦略などが異なります。
そのため、複数社から見積もりや提案をもらって比較したうえで、自分の目的に合った会社を選ぶのがベストです。また、査定額だけで判断するのではなく、担当者の対応や説明のわかりやすさや実績なども重要な確認ポイントになります。
媒介契約の種類と特徴を理解して契約を
不動産会社に売却を依頼する際には「媒介契約」という契約を結ぶ必要があります。この媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。
一般媒介契約は、複数の不動産会社に同時に仲介を依頼できる点がメリットです。一方、専任媒介契約や専属専任媒介契約は、特定の一社としか契約できません。
しかしその分、販売活動の進捗報告やレインズへの登録が義務付けられているため、より積極的な販売が期待できます。どの契約が自分に合っているかは、売却のスピード感や信頼できる担当者の有無などによっても変わります。契約内容をしっかり理解し、自分にとって最適な方法を選ぶことが大切です。
家の売却中に気をつけたい内覧対応と契約書チェック
家を売却する過程では、販売活動中の対応次第で成約のスピードや条件が大きく変わります。ここでは、販売活動中に押さえておきたい注意点をご紹介します。
内覧時は第一印象を意識して丁寧に対応を
内覧は、購入希望者にとって物件の状態や雰囲気を直接確認できる大切な機会です。このタイミングで良い印象を与えることで、成約につながる可能性を高められます。
できる限り希望された日時には柔軟に対応し、部屋の整理整頓や清掃を徹底しておくことが大切です。また、生活臭やペットのにおいが気になる場合は、換気や消臭対策も忘れずに行ってください。
さらに、見学に来た方に対しては丁寧な対応を心がけ、質問にはできるだけ正直に答えるようにしましょう。売主の誠実な姿勢が信頼につながり、購入意欲を後押しすることがあります。
契約トラブルを防ぐために売買契約書を丁寧に確認
買主が決まり、いよいよ売買契約を結ぶ段階になったら、契約書の内容をしっかりと確認することが必要です。契約書は、売主と買主の間で交わされる正式な取り決めです。
後のトラブルを防ぐためにも、曖昧な点がないようにしておきましょう。たとえ口頭で買主と話し合った内容があっても、契約書に明記されていなければ効力はありません。物件の引き渡し時期や設備の取り扱い、支払い条件など、細部まできちんと確認し、不明点は遠慮なく不動産会社や担当者に尋ねましょう。
また、できれば契約締結前に第三者の専門家に目を通してもらうのも安心です。納得したうえで契約することが、安心・円満な取引への第一歩となります。
家を売った後に忘れずに確認したい引渡しと申告の注意点
家の売却が成立しても、引渡しまでに必要な手続きや、引渡し後の書類管理、税務処理などやるべきことは意外と多く残っています。トラブルを避け、売却を最後までスムーズに終えるためにも、売却後に確認しておきたいポイントを整理しておきましょう。
引渡し前の準備を確実に進めよう
売却契約が成立した後は、引渡しに向けてやるべき準備がいくつかあります。まず、住宅ローンが残っている場合は、金融機関で完済手続きを済ませましょう。
また、隣地との境界線があいまいな場合には、事前に確認しておくことで後々のトラブルを防げます。さらに、契約時に取り決めた設備の修理や撤去も、引渡し日までにきちんと済ませておかなければいけません。
こうした準備を怠ると、引渡し時にトラブルとなり、最悪の場合には契約解除に至ることもあります。そのため、ひとつひとつ丁寧に確認しておくことが大切です。
資料の引渡しは記録に残してトラブル防止を
物件を引き渡す際には、取扱説明書や保証書、鍵など、買主に渡すべき資料がいくつかあります。これらをきちんと手渡すことはもちろんですが、後から「もらっていない」といったトラブルを防ぐためにも、何をいつ渡したのか記録に残しておくことが大切です。
そのためにも「引渡し確認書」を作成し、買主と売主が双方で署名・捺印して保管することをおすすめします。引渡し確認書には、渡した資料の一覧や日付、確認の署名欄を設けておくと安心です。
売却後の確定申告は忘れずに対応する
家を売って利益が出た場合には、翌年に必ず確定申告を行う必要があります。また、利益が出ていない場合には申告義務はありませんが、それでも確定申告をすることで節税メリットを受けられる場合があります。
たとえば、課税額が軽減されたり、還付を受けられる可能性もあります。必要書類や申告の手順については、税務署や専門家に早めに相談して、余裕を持って準備を進めましょう。
まとめ
家の売却は思い立ってすぐに終わるものではなく、売る前・売却中・売却後と、それぞれの段階で注意すべきポイントが存在します。不動産会社の選び方から内覧対応、契約書の確認、そして引渡しや確定申告まで、ひとつひとつのステップをていねいに進めることで、トラブルを避けて納得のいく売却につなげられます。慌てず冷静に対応し、必要に応じて専門家の力も借りながら、最後まで安心して売却を完了させましょう。