事故物件・訳あり物件でも売れる?売却方法と成功のコツを解説

公開日:2026/04/15  

事故物件・訳あり物件

不動産を売ろうと考えたとき、事故物件や訳あり物件は売れるのか不安になる方も多いでしょう。しかし、過去に自殺や殺人があった物件、権利関係が複雑な物件でも知識と工夫次第で売却は可能です。本記事では、事故物件・訳あり物件の基礎知識から、売却時の注意点、具体的な売却方法と成功のコツまでわかりやすく解説します。

事故物件・訳あり物件とは?

不動産を売ったり買ったりするとき、事故物件や訳あり物件という言葉を耳にすることがあります。ここでは、まず事故物件や訳あり物件の基本を理解しましょう。

事故物件とは何か

事故物件とは、過去に自殺や殺人、孤独死などの人の死亡があった建物のことをいいます。専門的には「心理的瑕疵(かし)物件」と呼ばれることもありますが、一般的には事故物件と呼ばれることが多いです。ただし、すべての死亡が事故物件になるわけではありません。自然死や老衰による死亡は原則として事故物件には含まれません。

ポイントは、そのできごとが住む人の心理的に影響を与えたり、日常生活に不安や不快感を与える場合に該当するということです。

訳あり物件とは

訳あり物件は、事故物件を含む、何らかの事情で市場で敬遠されやすい不動産のことを指します。事故物件以外にも、再建築ができない土地、借地権付きの建物、長期間空き家になっている家などが含まれます。

物件によっては境界がはっきりしていなかったり、隣地とのトラブルを抱えている場合もあります。こうした物件は、買主が限定されるため売却が難しくなることが多いのです。

知っておくべき瑕疵の種類

不動産には「瑕疵(欠陥)」という考え方があります。心理的な影響をおよぼすものだけでなく、物理的な欠陥や環境的な問題、法律的な制限もあります。心理的瑕疵は事故物件の中心で、物理的瑕疵は建物の傾きや雨漏り、環境的瑕疵は周囲の騒音や振動、法律的瑕疵は土地の権利関係や使用制限が該当します。売主としては、これらの瑕疵を理解し、どのような情報を伝える必要があるかを知っておくことが大切です。

事故物件・訳あり物件を売却する際の注意点

事故物件や訳あり物件は、普通の不動産と比べて売却に注意が必要です。とくに心理的瑕疵に関しては、売主には買主に伝える義務があります。この「告知義務」を怠ると、売却後にトラブルになる可能性があります。

告知義務とは

告知義務とは、売主が知っている瑕疵を買主に正しく伝える責任のことです。事故物件の場合、過去に人の死があったことや建物の使い方に問題があったことを知らせる必要があります。たとえ心理的に気になるだけの情報でも、買主が知る権利があるため、正確に説明しなければなりません。

契約不適合責任について

2020年の民法改正により、売主は「契約不適合責任」を負うことになりました。これは、契約で約束した内容と異なる状態で物件を引き渡した場合に発生する責任です。つまり、事故物件の事実を隠して売ると、後から修繕費や損害賠償を請求される可能性があるのです。

一方、契約書に瑕疵や事故の事実を正しく記載すれば、責任を免れることができます。

注意すべきポイント

心理的瑕疵の告知義務は、事故があった場所や状況によって変わります。室内での事故は原則として告知が必要ですが、共用部での事故は基本的に必要ありません。ただし、飛び降り自殺のように周囲に強い印象を与えた場合は告知対象となることもあります。

また、事故からの経過年数が長い場合、告知義務が軽くなることもありますが、具体的な期間は明確ではありません。売却の際は慎重に判断する必要があります。

事故物件・訳あり物件を売る5つの方法と成功のコツ

事故物件や訳あり物件は売れにくい印象がありますが、工夫次第で売却することは充分可能です。ここでは、売却の確率を高める5つの方法と、それぞれのポイントを紹介します。

値引きして売る

もっともシンプルで効果的な方法は、価格を下げて売ることです。事故物件は通常の相場よりも20~30%程度安く設定すると、買主が心理的な抵抗を減らしやすくなります。あまりに安くしすぎると逆に印象が悪くなるため、価格設定は慎重に行いましょう。

事故後数年経過してから売る

事故や事件の記憶は時間とともに薄れていきます。そのため、事故直後よりも数年経過してから売るほうが、買主の心理的抵抗が下がりやすく、売却しやすくなります。目安としては事故から10年程度が多くの判例で参考にされる期間です。

建物を取り壊して更地にして売る

戸建ての場合、建物を取り壊して土地として売ることも有効です。建物があると心理的瑕疵を気にする買主が現れますが、更地にすることで建物の事故の影響をなくし、土地として価値を評価してもらいやすくなります。

古い家の場合は、建物の価値がほとんどゼロになることもあるため、思い切って更地化するほうが高く売れることもあります。

買取業者に売る

事故物件や訳あり物件を確実に売りたい場合、専門の買取業者に売却する方法があります。仲介で買主を探す必要がなく、内見や交渉の手間も省けます。買取業者は事故物件の扱いに慣れているため、心理的瑕疵のある物件でも買い取ってくれることが多く、現金化までのスピードも早いのが特徴です。

専任系媒介契約で売る

仲介で売る場合は、専任媒介や専属専任媒介契約を結ぶことで、1社の不動産会社が売却活動を集中して行います。専任系契約では、不動産会社が買主を探す意欲が高まり、売却の成功率を上げやすくなります。

また、両手仲介によって会社の利益も大きくなるため、事故物件でも積極的に買主を探してもらいやすくなります。

まとめ

事故物件や訳あり物件は、売却が難しいと思われがちですが、正しい知識と工夫があれば売却は可能です。まずは物件がどの種類に該当するかを理解し、告知義務や契約上の責任を確認することが重要です。その上で、価格調整や時間経過、更地化、買取業者利用、専任媒介契約の活用など、自分の状況に合った方法を選ぶことが売却成功のカギとなります。事故物件や訳あり物件の売却では、事前準備と専門家の活用が、安心でスムーズな取引につながります。

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